経営視点を持つ次世代リーダーを育て、
組織横断の協働力を醸成する
企業概要
| 従業員数 | 約1.5万人(連結) |
|---|---|
| 売上高 | 約7,000億円(連結) |
参加者の組織階層
プロジェクトの目的
- 次世代経営リーダーを計画的に育成する
- 現場リーダー層の経営視点を持った意思決定力と協働力を高める
- 部門を超えた組織横断的な連携を促進する
A社は、国内外に複数ブランドを展開する大手食品メーカーです。創業以来、順調な成長を続けてきましたが、消費者ニーズの多様化や海外事業の拡大に伴い、従来の延長線上のマネジメントでは対応しきれない局面に直面していました。
急速な市場変化に対応するには、現場のリーダー層に「経営視点」を持った意思決定力と協働力が求められていました。
とりわけ、経営幹部候補の育成が大きな課題でした。業績面では優秀でも、周囲と対話しながらチームを導く力に課題を抱える人材が多く、組織横断的な連携が進まない状況が続いていたのです。
A社長は「これからは、業績を出すだけでなく、組織全体を動かせる“次世代経営リーダー”を育てなければならない」と危機感を抱き、コーチングの導入を決断しました。
プロジェクトの成果
- 幹部候補者の全社視点での意思決定意識が高まり、経営会議での議論の幅が広がった
- 経営幹部のリーダーシップ行動が改善され、部下や他部門とのコミュニケーションが増加した
- 部門間の協働による新規プロジェクトが立ち上がり、目標を上回る成果とリーダー同士が学び合う文化が定着し始めた
プロジェクト開始から半年、経営チームには徐々に変化が現れ始めました。A社の社長が幹部候補者と定期的に1on1で対話することで、「自部門の成果を全社視点で捉える意識」が少しずつ高まり、経営会議での議論の幅も広がってきました。
特に注目されたのは、事業部門長のB氏です。以前は部下や他部門との関係構築に課題がありましたが、社長との対話を通じて、自身のリーダーシップを言語化し行動に反映するようになりました。部下や他部門とのコミュニケーションも増えつつあり、チームのB氏に対する評価も高まっています。
この関係性の変化は、業績にも直結しました。B氏の部門では、他部門との協働によって新規プロジェクトが立ち上がり、初年度で目標を大きく上回る成果を出ししました。
A社全体でも、横断的な連携による新たな価値創出が進み、「リーダー同士が学び合い、支え合う文化」が根づき始めています。
プロジェクトの流れ
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01 マネジメントの意識変化
A社では、まず社長自身がエグゼクティブ・コーチングを受け、自らのリーダーシップスタイルと組織への影響を深く振り返ることからスタート。コーチとの対話を通じて「自分がどのように次世代リーダーと関わるべきか」を言語化し、行動計画を策定。次に、直属幹部との定期的な1on1を導入し、相互の考えを共有する「対話の場」を制度化した。
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02 リーダーの行動変化
半年後、次世代経営リーダー候補者を対象にDAIBEとDCDを導入。参加者は、周囲とのコミュニケーションを体系的かつ体験的に学び、再定義した自身のリーダーシップを実際の行動に反映させた。また、参加者同士が経営の本質をテーマに対話を重ねることで、忖度のない議論を通じ、次世代経営リーダー候補者としての一体感を醸成していった。
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03 周囲・組織の変化
次世代経営リーダー候補者の変容により、部署内外でのコミュニケーションや対話が活性化した。これにより、部門間の連携や意思疎通がスムーズになり、組織全体に一体感と協働意識が徐々に広がっていった。