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近年多くの企業で、上司が部下との間で定期的(1~2週に1回程度)に実施する1対1の面談「1on1」が推進されています。
その背景には、上司が部下に対して一方的に過去の経験や知識を伝えていくこれまでのマネジメントスタイルが、昨今では効果的ではなくなってきていることが一因としてあげられます。

「1on1」では、上司が部下にコーチングをします。
コーチングを通じて部下が主体的に目標を設定し、目標達成に向けて行動を起こすことが、結果的に事業の成長へとつながると考えられるからです。

下記は、部下の主体性(目標達成意欲や周囲への関わりの意識)の向上と上司のコーチングスキルの関係性を調べた結果です。上司の「聞く」「承認する」「質問する」という3つのコーチングスキルが向上したとき(横軸)に、部下の主体性がどれだけ変化したか(縦軸)を表しています。

部下の主体性※1と上司のコーチングスキルの関係

[図を拡大する]

※1 主体性:ビジョンの明確化や仕事の創意工夫・新視点の取入れなど、部下個々人の仕事への取り組みに関する自己評価。

※2 各スキル向上:代表的なコーチングスキルとして「聞く」「承認」「質問」の3種類を取り上げた。このうち1つのスキルに関してのみ部下からのアンケート評価が1pt上昇し、他の2つのスキルの評価の変化は1pt未満だった上司のデータを抽出し、3つの群を定義した。サンプル数は、聞く:n=24、承認:n=96、質問:n=39。スキル、主体性ともに、変化量はコーチング開始時から半年後にかけてのアンケート回答スコア(7段階評価)の差分。

グラフからもわかるように、上司のコーチングスキルの向上は、いずれも部下の主体性を高めています。なかでも上司の「聞く」スキルが、部下に最も大きく影響を与えていることがわかります。

上司に話を聞いてもらえたと感じた部下は、上司に対する信頼感が増し、そこに信頼関係が構築される。また、自分の意見が上司に伝わったと感じると、部下の目標に対するアカウンタビリティ(主体的に仕事の責任を引き受け自ら行動に移そうとする意識)が高まり、自ずと目標達成に向けた行動をとるようになるのではないでしょうか。上司の「聞く」という行為の中には、部下が主体的に動くようになる力があると考えられます。

あなたは「1on1」で、何割くらい部下の話を聞いていますか。

調査概要

調査対象:コーチ・エィのプログラム・DCD参加者
調査内容:D-meter(DCD独自アンケート)による
調査期間:2015年5月~2018年7月