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部下は、上司にどのようなリーダーシップを期待しているのでしょうか。

コーチング研究所が実施している「Leadership Assessment」部下21,843名の結果について、「部下が評価した上司のリーダーシップ」と「部下が上司に期待するリーダーシップ」をグラフにすると図1のようになりました。

図1

※1 上司2,003人に対する部下21,843人の回答(全53問・7段階評価)を 8 カテゴリ別 に平均値を算出。
※2 部下が上司に期待するリーダーシップを 8カテゴリから3つ選択。最大値は300%。
コーチング研究所調査 2019年

最初に、「部下が評価した上司のリーダーシップ」の結果(折れ線グラフ)をみると、「アカウンタビリティ(主体性)」が7点満点中5.8点と一番評価が高く、「方向性の提示」が5.1点と一番評価の低い結果となりました

次に、「部下が上司に期待するリーダーシップ」の結果(棒グラフ)をみると、「変化促進」を55%の部下が選択しており、半数以上の部下が求めていることが分かりました。

さらに、この2軸の結果を合わせてみていくと、興味深いパターンがあることが分かります。

Aのグループは、上司の「変化促進」の評価が5.5点と平均的でありながら、期待する要素としては、 55%もの部下が選択しており、最も上司に期待しているリーダーシップとなっています。(※) つまり、上司が、実行できている、実行できていない、に関わらず「変化促進」を期待していることを示しています。

Bのグループは、上司の「成長支援」「方向性の提示」を部下が低く評価しています(折れ線グラフ)。一方で、上司へ期待するリーダーシップとしては、部下の約50%が選択しています(棒グラフ)。 (※)

この2つの結果より、「成長支援」「方向性の提示」は、"上司は実行できておらず、部下に必要とされているリーダーシップ"と言えそうです。

Cのグループは、上司の「アカウンタビリティ」「セルフマネジメント」「業務遂行」を部下が高く評価しています。また、期待する要素としては、16~21%に留まっていることから、部下は、上司の「アカウンタビリティ」「セルフマネジメント」「業務遂行」を高く評価しており、満足しているということが推測できます。(※)

分析の結果、以下3点のことが分かりました。

  • 「変化促進」は、上司が、実行できている、実行できていないに関わらず期待している
  • 「成長支援」「方向性の提示」は、上司は実行できておらず部下は必要としている
  • 「アカウンタビリティ」「セルフマネジメント」「業務遂行」は、上司は実行しており部下も満足している

変化が速い現代において、部下も変化の必要性を感じ、組織に変化を起こすことを上司に期待しているのかもしれません。多くの部下が期待している分、この期待にどう応えていくかが上司のリーダーシップに重要であるといえます。

※ 全8カテゴリ―の平均が5.5点。平均を上回った場合を高い、下回った場合を低いと評価。

調査概要

調査対象:
コーチ・エィのサービスを受けた上司2,003名の部下21,843名
調査期間:
2012年9月~2018年2月
調査方法:
ウェブアンケートへ回答
調査内容:
リーダーシップと職場の状態「Leadership Assessment」
・部下が評価した上司のリーダーシップ(8カテゴリ・全53問・7段階評価)
・部下が上司に期待するリーダーシップ(8カテゴリの中から3つ選択)