海外赴任ミッション
つい最近、シンガポールと上海で海外赴任者を対象とした
コーチング説明会を実施しました。
日系企業の海外現地法人約30社から、41名の方にご参加頂きました。
参加者の皆様からアンケートを取ったところ、自身の海外赴任ミッションに関して
興味深い結果が確認できました。
Q:あなたの海外赴任/現役職のミッションは言語化されていますか?
(ミッション=あなたが着任期間中に成し遂げるべきこと)
□「はい」 20人
□「いいえ」 21人
つまり、約半数の方のミッションは言語化されていて、
残りの半数の方のミッションは言語化されていませんでした。
「赴任ミッションが言語化されている」と回答した20人のうち
□ミッションが組織全体(本社・上司・部下)の間で共有されている 13人
□本社ないし上司と共有されている 7人
赴任ミッションが言語化されていないと回答した21人のうち
□ミッションが組織全体(本社・上司・部下)の間で共有されている 5人
□本社ないし上司と共有されている 6人
□自分の中では明らかだが、誰とも共有されていない 6人
□ミッションを自分で考えてみたが、明らかでない/分からない 4人
この結果から、ミッションを言語化させている海外赴任者の方が
そのミッションについて組織全体で共有している傾向が高いことが分かります。
ただ、回答者全体でいうと、組織全体で赴任ミッションが共有されているのは
全体の半数弱(41名中18名)に過ぎませんでした。
今回のアンケートは周囲の評価ではなく自身での回答ですので、
周囲の人に聞いてみたら、また違った結果になるかもしれません。
管理職の立場にいるリーダーのミッションは、組織の方向性に規定されるものです。
であれば、ローカル社員にとってみれば、海外赴任者上司のミッションを知ることが、
組織の方向性を理解することに繋がるでしょう。
ある企業における海外赴任者への1on1コーチングの一環で、
組織で起きていることを調べるために部下であるローカル社員に
インタビューを実施しました。
すると、
「組織の方向性が分からない」
という趣旨の回答が何人かからありました。
この海外赴任者は、自身の赴任ミッションを言語化させていませんでした。
そこで、遅ればせながらですが、コーチングセッションの機会に、
赴任ミッションを言語化することにしました。
Kenexa Research Institute社(KRI)のリサーチ*によると、
社員が経営陣を評価する際のポイントとして、以下の5点が挙げられています。
1.どのような決断をしているか
2.どのようなアクションを起こしているか
3.どのようなコミュニケーションを取っているか
4.社員に対して、組織の方向性を常に発信し続けているか
5.組織的難題を乗り切る能力を有しているか
海外赴任すると、日本にいたときよりも、高いポジションに就く傾向があります。
海外現地法人の経営者として、または経営に近い立場の管理職として、
「4.社員に対して、組織の方向性を常に発信し続けているか」
という点は、国内にはなかったチャレンジと言えるでしょう。
組織の方向性を常に発信できる状況を作るためには、自身の赴任ミッションを
言語化することが効果的です。
海外赴任辞令が出たタイミングから海外赴任者にコーチをつける企業は、
赴任前の時点でミッションを言語化することを目的のひとつとしています。
皆様の会社の海外赴任者は、ミッションを言語化して海外に赴いているでしょうか?
(出展)
*Does an Organization's Leadership Team Really Affect Employee Satisfaction?
Copyright MediaTec Publishing Inc.

